4/3 背骨

 10時ごろ起きる。ご飯を食べるなどして、昼過ぎから会室に行く。雨が降っていて寒い。

 

 会室は誰もいなかった。大きい方の毛氈を引いて一人でひたすら書く。以前先輩に、会室で書いた話をしたら笑われてしまった。追い詰められた人は結構するのではないだろうか?みんな家で書くのかな……?

 6時ごろまで書いて、一応保険の1枚を確保する。並べておいてみて、あまりの下手くそさにしんどくなり、お腹が空いてイライラしてきたのでコンビニに行く。ずっと屈んでいたので、立ち上がると背骨がギシギシと軋む。カップ春雨とナナチキを確保。しょっぱいものうめ〜〜。

 満腹になってからも一枚なんとか書いたけど、それ以降書く文字を途中で間違えたりして進まず。空腹から非常に空腹の間の時間が一番創作などが捗る気がする。お腹いっぱいになってしまってはだめ。わかっていたのに食べてしまった。

 

 唸りながら紙を折っていたら春季展(書道会の展覧会)委員の同期が来る。好き放題しやがって、と笑われてしまった。笑うなら一括の締め切りを2週間くらい伸ばしてください。

 同期と話していたらもう完全に集中力が終わってしまい、その人が帰った後結局1枚も完成しなかった。あーーーあ。もう。どうすんの〜〜。

 本格的に間に合わなくなりそうなので自分で表装屋さんに持っていくことになるかもしれない。面倒くさいしよくわからない。明日も書くしかないかな……。

 

 8時まで学館に居ると放送で追い出されることや、いろんな出口が閉まってしまうことを今まで知らなかったので、焦りつつワクワクしながら動く。通用口からしか出れないらしく、それがどこか分からなかったので分かってそうな人の後をつけて脱出に成功した。

 外に出るときに会室に傘を忘れたことに気がついたが、時間的にも体力的にも厳しかったので濡れて帰る。前を歩いていた人たちのなかの男の子が、同じグループの女の子の傘に入れてもらっていて、いいなあと思いながら早足で追い越す。傘に入れてもらうならその傘持ってやれ!とも思う。

 

 朝から雨は降っていたので傘をささずに歩いている人が若干目立っていて恥ずかしかったけれど、どうしても甘いものを食べたかったのでスーパーに寄る。和菓子の気分だったのであんこ系を探してみると、半額の柏餅を発見し、購入。るんるんで帰宅。

 緑茶を入れてワクワクで食べたのだけど、最近最高のよもぎ餅を知ってしまってそれを期待していたせいか、あまり納得いく味ではなかった。よもぎ餅と柏餅のなかの草餅が別物であることを知る。なんかしょっぱかった。ああ。おいしいよもぎ餅食べたい。

 美味しいあんこ系のお菓子を知っている人は教えてください。もなかはあんまり美味しくないと思ってるけど、この固定概念を壊してくれるならそれも是非。

4/2 やべー

 昼過ぎに起きて書道会に行く。春季展の作品を全然練習していないのでかなり焦って書く。

 隙間でおしゃべり部屋に行くと新入生が何人かいた。せっかくなので少しおしゃべりしたら大層可愛かったので夕食に誘う。

 どんぴしゃりに、さもいつも行ってるんですようふふ、みたいな顔で連れて行ったけど実は行ったの2回目。椅子が高く、マスクを外した際に落としてしまったので拾おうとした時に体が落ちかけて焦る。食べている途中で店員さんがマヨネーズソースらしきものを持ってきてくれて、「〜〜ソースはいかがですか?」と言われたが一度も耳にしたことがなかったので聞き取れなかった。新入生が私にききたそうな顔をしていたけれど、私もわかっていないので気がつかないふり。香ばしく焼かれた豚の脂身ってなんであんなに美味しいんだろう。

 精一杯背伸びして先輩っぽいことをしたら疲れてしまった。後輩は可愛いし楽しいのだけど、次は私が後輩扱いされるターンが欲しい。先輩……書道会に……来て……。それかクソ生意気な後輩でもいいかなあ、えへへ。

 

 夜中から高校同期とzoom。愉快ですね。みんなに会いたい。新幹線、学生のうちはもっと安く乗れるようにならないかなあ。

 

 明日は頑張って作品の練習をしたい。起きるぞおきるぞ。

4/1 行くか行かないか

 今日はエイプリルフールだったらしいのだが、起きたら既に10時過ぎだったので嘘を考えるのはあきらめた。ツイッター上では先輩方が朝早く(といっても8時ごろだけど私はまだ夢のなかなので早朝)から出社する旨のツイートや、気温について言及するツイート(外に出ていないと多分しない)をしており、社会人がいっぱい……。となった。私はしれっと3年生になったらしい。まじ?

 

 午後からお気に入りのコートをクリーニングに出した後皮膚科に行った。1週間ほど前から後頭部右端の一部分が痒く、なんだかかさぶたもできて、少し気になっていたのだけど、ひとに見てもらうと「少し腫れていて赤く健康な頭皮とはちょっと異なるかな」という程度の見立てをもらっただけだったのですぐ治るだろうとほっておいた。が、治らなかった。

 どこかが痒いというのは、花粉症もそうだけど、著しく生活の質が下がるように思う。実際、ここ数日頭皮のかゆみと、掻いていたらたまに剥がれてくる黄色いかさぶたで非常に不愉快な気持ちになっていたので観念して病院に行った。

 

 診察の順番を待つ部屋に、一人の青年とその父親がいた。私の一つ前の順番の患者さんだったのだが、その前の患者さんたちと比べると明らかに診察時間が長く、ぼんやりとなんだろうなあ、と気になっているようなどうでもいいような気持ちでいると、カシャンと金属同士が擦れる音がしたのでああ、なんか切ったり縫ったりしてるのか、大変だ、と思った。その後すぐ彼らは出てきて、私の名前が呼ばれた。私の診察は彼らの前の人たちと変わらないような時間で終わり、こんなもんだよなあと確認したような気分になる。

 薬をもらったので近くの薬局に行くと、皮膚科の彼らと再会した。優しそうな薬剤師さんが受け渡しの担当らしかったのだが、客層から感じる限り耳が遠い人の相手をすることが多そうで、そのせいなのかもともとなのかは知らないけれどめちゃくちゃ声が大きかった。一人ひとり丁寧に薬の説明をして使用感を聞いているので大体何の薬をもらってるのかわかってしまい、それは先ほどの彼らに至っても同じで、あんまりよくないなと思いながらどうしようもないので聞いていると、どうもニキビに関する薬らしかった。

 

 ニキビで皮膚科に行っていいと私が知ったのは、恥ずかしながらここ1、2年のことだ。私は皮膚が強い方ではないけれど、所謂思春期ニキビに激しく悩まされた記憶は幸運にもあまりなく、特に何かしたいとも思ったことがなかった。しかし、私の兄は痛ましそうな肌になることがよくあって、何か薬を付けていた気がするけれど病院に通っている様子はなかった気がするので、行っていなかったのではないかなあと思う。

 ニキビも皮膚の炎症なのだし当たり前に病院に行っていいだろう、と言われたらそれまでなのだけれど、ある時期が来たら多くの人がなるものだと聞かされている中で、ニキビは特に治療するようなものだと思えない人も多いのではないか。私もその一人だった。

 肌の悩みは後を引きやすいと思う。化粧品にはニキビ跡や肌の凹凸や赤みを隠すためのモノが何種類もあるし、肌がきれいなだけで幾ばくか美しくなると多くの人が思っているだろう。そんな中で、病院に行って適切な治療を受けたら治るニキビの跡のせいでずっと肌について悩み続けるのは悲しい。ニキビで病院に行ってよいのかよくないのかは、救急車はどの程度の病気から読んでいいのか戸惑うように、誰かに相談しないと分からないひとが多いはずだ。行くか行かないかは当人が決めることだとしても、行ってもよいのだということは、年の離れたかわいい私の従弟とか、家庭教師先の教え子ちゃんとか、もし子供を産んだなら子供とかに伝えていけたらいいなと思う。そのとき手を打てたことで後から悩むことが少しでも減るように。

 

 手を打てることで悩みを減らす、と言えば、子宮頸がんワクチン。4月から打ち漏れていた人が無料で打ち直せるチャンスがあるので、私は打ちます。一緒に打ちましょう。

3/26 セーフ

 日付が変わって一時間くらい経ったころ、終電?で母と泊まっているホテルに帰り着く。まだ母は起きていたので、セーフ。カップ春雨を啜ってシャワーを浴び、水をがぶ飲みして就寝。空腹のままお酒を飲むのはダメでした。

 

 水のおかげか、起きた後にお酒での不調を感じることなく朝食を食べられた。京王プラザホテルの朝食、ばかだなあってくらい高いけどオレンジピールの入った丸いパンがめちゃくちゃ美味しかった。昨日それに気づいて、そして和食か洋食か選ぶ段階で思い出し、今日本当は和食の気分だったのだけどそのパンだけのために洋食にした。和食にオレンジパンだけつけてくれればそれでよかったんだけどな……。

 

 昼前に兄と合流し、母と3人で兄の時計や財布を見に行った。財布を探しに伊勢丹に行ったとき、最初は3人ともデパートデパートした雰囲気に慄いていたのだけど、メンズ館の革ものコーナーにいた中村さん、という店員さんにみんなして惚れ込んでしまい、結局革製の良い財布を購入した。

 控えめで、ゆっくりと低い声で優しく話し、スーツケースを(預けるのを面倒くさがって)ゴロゴロと引いている横着な田舎者相手でも高圧的だったり投げやりにならなかったりするデパートの店員さんが新宿に存在することに感動した。これもマニュアルなのだろうか。デパート?百貨店?慣れしていない田舎者には大層効果的だった。少し長めの髪にパーマをかけており、目尻の下がった、ふわふわとした雰囲気の人だった。財布の入った箱を包む時に、慣れた雰囲気でリボンをかける手が男性的でちょっとドキッとした。

 

 昼ご飯を食べた後、母を空港行きのバスが出るターミナルまで送っていった。母は途中で何度も雨が降りそうだから先に帰りなさい、と言っていたけれど空も持ちそうだし特に用事もなかったので結局バスの前まで着いていった。母は、いいのに、と言いつつも、私が大丈夫だから一緒に行くよ、と返すと嬉しそうにしていた。

 また東京に来たら一緒に泊まってくれる?と別れ際に聞かれた。お金がもったいないなと思うけど私のお金じゃないしなあ。そんなことをしなくても、ちゃんと夏には帰るつもりだし実際年末も帰ったんだけどなあ。

 「また泊まれるの?やったー!」が正解なのは分かっていたんだけどなんだか複雑だったので「別にいいよ」としか言えなかった。それでも満足そうだったから、これもセーフ。

 

 セーフと言えば、野球。坂本は早く怪我治してください。

 

 

3/24 母の肩を揉む

 兄の卒業式に合わせて母が上京してきた。父も本当は来る予定だったのだが、田舎の職場というのは頭が硬く、もし東京に行ったら二週間出勤を自粛しろとのお達しが出てしまったので泣く泣く留守番をしている。

 兄と母と私で焼肉を食べた。隣の酔っ払ったサラリーマン6人組がうるさく、多少うんざりとしたがこちらのテーブルもそれに負けないくらいの声量で笑った。暗い照明のなかで火を見ていると雰囲気で酔ってしまい、黒烏龍茶を飲みながら母と腕を組んだ。

 

 父の代わり(というのは、もし父が来れることになってもそうしているのでおかしいのだけど)に母とホテルに泊まった。

 風呂は広く、はしゃいで湯を溜めた。ロクシタンのバスキューブがあったので入れてみたが、なんだか気取った匂いがするな、と思っただけであまりリラックスできなかった。ゆずの香りがするバブをください。

 

 風呂を上がり、母がスイーツパラダイスに行きたいというので店の話をしながらベッドでダラダラとした。なんとなく母の足を揉んだら、背中をしてほしいというので背中を押した。とても硬かった。肩甲骨付近を押しても、凝りすぎているのか痛がるだけだったので肩と首を揉んだ。肩も首も当然のように硬く、押されながら母はとても気持ちよさそうにしており、お母さん、と思った。少女の我儘さと気高さを失いきれなかった、仕事ができ、そして褒められたがりの私のお母さん。

 焼肉屋で母はよく地元の公務員学校の話を出した。それに私と兄は愛想笑いでしか返さないので、その度に少し黙り、忘れたようにどうでも良い話をして、そして将来のことや就職のこと、仕事のことが話題となると再びそれを口にした。絶対に地元に帰って公務員になるよ、と言えない自分が親不孝のようで苦しくなった。

 

 母をマッサージし終えると、お返しに、と言って私の脚を揉んでくれた。人に脚を揉まれる気持ちよさったらない。最高の瞬間のうちのひとつ。

 

 明日は大学の卒業式だ。きっときっときっと泣かないままでいたい。

 

 

3/21 もらった!!!

 なんと突然小島なおの『乱反射』をプレゼントされてしまった。わーーーーい!!!!!

 真っ白の、少しザラザラとした画用紙風の表紙に少し暗めの水色で題名と、作者が書いてある。その表紙の感じも、手触りも、もちろんページを捲るたびに目に入ってくる歌も、全部がきっかけになって高校生の頃が思い返される。本当に懐かしい。

 『乱反射』には作者が高校生の頃作った歌が多く含まれている。昔は同い年だということを意識しながら読んだ歌を、今は懐かしいだとか、眩しいだとか、年下の女の子を見ているように読む。年を重ねている、ということを意識した。まだまだガキんちょなのは分かっているのだけど。

 

 本当に嬉しかった。大事にするし、たくさん読むね。