4/1 行くか行かないか

 今日はエイプリルフールだったらしいのだが、起きたら既に10時過ぎだったので嘘を考えるのはあきらめた。ツイッター上では先輩方が朝早く(といっても8時ごろだけど私はまだ夢のなかなので早朝)から出社する旨のツイートや、気温について言及するツイート(外に出ていないと多分しない)をしており、社会人がいっぱい……。となった。私はしれっと3年生になったらしい。まじ?

 

 午後からお気に入りのコートをクリーニングに出した後皮膚科に行った。1週間ほど前から後頭部右端の一部分が痒く、なんだかかさぶたもできて、少し気になっていたのだけど、ひとに見てもらうと「少し腫れていて赤く健康な頭皮とはちょっと異なるかな」という程度の見立てをもらっただけだったのですぐ治るだろうとほっておいた。が、治らなかった。

 どこかが痒いというのは、花粉症もそうだけど、著しく生活の質が下がるように思う。実際、ここ数日頭皮のかゆみと、掻いていたらたまに剥がれてくる黄色いかさぶたで非常に不愉快な気持ちになっていたので観念して病院に行った。

 

 診察の順番を待つ部屋に、一人の青年とその父親がいた。私の一つ前の順番の患者さんだったのだが、その前の患者さんたちと比べると明らかに診察時間が長く、ぼんやりとなんだろうなあ、と気になっているようなどうでもいいような気持ちでいると、カシャンと金属同士が擦れる音がしたのでああ、なんか切ったり縫ったりしてるのか、大変だ、と思った。その後すぐ彼らは出てきて、私の名前が呼ばれた。私の診察は彼らの前の人たちと変わらないような時間で終わり、こんなもんだよなあと確認したような気分になる。

 薬をもらったので近くの薬局に行くと、皮膚科の彼らと再会した。優しそうな薬剤師さんが受け渡しの担当らしかったのだが、客層から感じる限り耳が遠い人の相手をすることが多そうで、そのせいなのかもともとなのかは知らないけれどめちゃくちゃ声が大きかった。一人ひとり丁寧に薬の説明をして使用感を聞いているので大体何の薬をもらってるのかわかってしまい、それは先ほどの彼らに至っても同じで、あんまりよくないなと思いながらどうしようもないので聞いていると、どうもニキビに関する薬らしかった。

 

 ニキビで皮膚科に行っていいと私が知ったのは、恥ずかしながらここ1、2年のことだ。私は皮膚が強い方ではないけれど、所謂思春期ニキビに激しく悩まされた記憶は幸運にもあまりなく、特に何かしたいとも思ったことがなかった。しかし、私の兄は痛ましそうな肌になることがよくあって、何か薬を付けていた気がするけれど病院に通っている様子はなかった気がするので、行っていなかったのではないかなあと思う。

 ニキビも皮膚の炎症なのだし当たり前に病院に行っていいだろう、と言われたらそれまでなのだけれど、ある時期が来たら多くの人がなるものだと聞かされている中で、ニキビは特に治療するようなものだと思えない人も多いのではないか。私もその一人だった。

 肌の悩みは後を引きやすいと思う。化粧品にはニキビ跡や肌の凹凸や赤みを隠すためのモノが何種類もあるし、肌がきれいなだけで幾ばくか美しくなると多くの人が思っているだろう。そんな中で、病院に行って適切な治療を受けたら治るニキビの跡のせいでずっと肌について悩み続けるのは悲しい。ニキビで病院に行ってよいのかよくないのかは、救急車はどの程度の病気から読んでいいのか戸惑うように、誰かに相談しないと分からないひとが多いはずだ。行くか行かないかは当人が決めることだとしても、行ってもよいのだということは、年の離れたかわいい私の従弟とか、家庭教師先の教え子ちゃんとか、もし子供を産んだなら子供とかに伝えていけたらいいなと思う。そのとき手を打てたことで後から悩むことが少しでも減るように。

 

 手を打てることで悩みを減らす、と言えば、子宮頸がんワクチン。4月から打ち漏れていた人が無料で打ち直せるチャンスがあるので、私は打ちます。一緒に打ちましょう。